中小企業診断士資格は1次と2次を合わせた合格率が10%を切る、難関試験の分類に分けられますが果たして資格取得によるメリットは大きいのでしょうか?
一般的に中小企業診断士の資格取得には1,000時間以上の勉強時間が必要と言われています。
1,000時間というと、1年間計画だと月平均83時間、週で約20時間、1日約3時間になります。
こう考えると、「以外と大変じゃないな」と考えるのですが、これは正月もお盆休みも全て含んでいます。
皆さん友人や会社の飲み会に行った後、または仕事が遅くなっても必ず勉強できますか?
勿論全てを犠牲にする必要はないと思いますが、短期間で取得を考えるとそれなりの犠牲や、工夫が必要になります。
私は遊びと勉強の切替が苦手でしたので、勉強に集中する期間は飲み会や遊びは基本的には断っていました。
私のような事業会社経験者にとってはある程度の勉強時間確保が必要かと考えられますのでこんな時間を割かなければいけない資格にどれだけメリットがあるのか知りたい?方向けにお伝えできたらと思います。
資格取得によるメリット
中小企業診断士資格の認知度
中小企業診断士は一般的にはそれほど認知度が高い資格ではありません。
しかし、ビジネス界では強い知名度が有り、資格取得による評価も高いことがわかります。
2022年1月の日経新聞記事「40代からの学び直し 専門家が選んだ役立つ資格」で1位となっています。
大企業に勤める人も「企業をトータルな視点で見ることができるようになり、スキルは勤め先でも生かせる」。学識経験者らの評価が高く「官民で幅広く活躍できるフィールドがあり、経験が生かせる」、「難しい資格だが、これまでの知識・スキルを整理でき、開業の道もある」との声があった。
日本経済新聞 「40代からの学び直し 専門家が選んだ役立つ資格は」
40代といえば、世間一般的には管理職(中間層)になる年齢です。
プレーヤーからマネジメントを行うにあたって、社内の管理職や他部門との打合せ、対外的な接触も増えてくるでしょう。
そんな時に、中小企業診断士の資格を持っていると聞くと、まず資格を知っている人は聞く気になるでしょう、そして説得力が増します。(勿論話の内容によりますが)
更に社内でも、診断士の資格を持っているのであれば、経営企画の仕事や事業の分析をしてほしい等社内からモテモテになる可能性もあります。
認知度はアップし、様々なチャレンジができる人は必然的に企業でも評価されるでしょう。
中小企業診断士の資格取得による収入アップ
中小企業診断士資格を取得すると、どのように収入をアップできるのでしょうか?
一般的にはこの3つが考えられます。
1.給与所得のアップ(昇進等による)
2.副業
3.独立
1は先ほどの章で記載した通り、診断士の勉強で培ったノウハウを社内で活かし評価を高める方法です。
メリットは自分のペースででき、環境変化は少ない為負担等は少ない事ですが、人事評価も年2回位の会社が多い事を考えると時間がかかる事はデメリットでしょう。
2の副業のメリットは即時性が有り、収入も単発で入ってくる事も多い事です。デメリットは本業との合間に行うため土日が潰れる、そもそも副業で安定して仕事を受注できない事が多いです。
3の独立のメリットは、自分で仕事を選択する事が出来る為自由度を高める事が可能です。そして、最終的には一番収入アップに繋がる可能性が高いですが、デメリットは短期的には収入ダウンに繋がる可能性が高く、通常の人は仕事を継続して受注できる迄に時間がかかります。
通常は、2の副業を行いながら色んな人脈やノウハウを得て、1の社内でも評価を高めつつ、機が熟したら3の独立をする方が多いです。
副業も様々で、年数万~数十万、一部の方は数百万稼ぐ方も中にはいるので、羨ましい限りです。
因みに独立したらいくら位稼げるの?という事が気になる方は下記の中小企業診断士協会のアンケートをご覧ください。
具体的に、どのような仕事を誰向けにどれくらい行っているのかが記載されていますので参考になります。
因みに本アンケートでの年間売上(年商)中央値は500~800万になります。
社外の人脈の形成ができる
診断士試験に合格すると、実務補習という「合格してから登録する為の実務を教えてくれる実習」があります。
ここで同じ境遇の社外の企業勤めの人や中には独立している人等様々な人達とまず会います。
また診断士協会という協会に入会すると、ここでは同期は勿論既に活躍されている診断士の先輩方と繋がる事ができます。
モチベーションが高く、色んな事に挑戦している人が多い為話を聞いていると、必然的に動機づけされます。
勉強会や研究会も積極的に行われる為、自身の知らない分野において、知識、人脈の幅を広げる事が可能です。
上述した副業の仕事紹介等もこの人脈から受注する事が多い為、色んな場所へ顔出しし積極的に手をあげる事が重要と考えられています。
また、広がった人脈は企業内診断士としても利用は可能と思います。
関連する業種や同業であれば、一緒に仕事をする機会も考えられますし、アライアンスを組む事も有りだと思います。
社内の他の人と比較すると恐らくこのような人脈を持つ方は少ないと思いますので、うまく活用でする事で強みとして活かすことができます。
セミナーや講師の仕事が説得力を増す
例えばセミナーを行う際に、
①自己紹介に【中小企業診断士】とついている人
②何も資格の記載が無い人
だと【中小企業診断士】とついている人の方に集客は集まりやすいと思います。
冒頭に記載した通り、中小企業診断士資格は一般的な知名度は簿記や会計士と比較すると低いものの、
ビジネス界では、充分に評価されている資格です。
自身の知名度、企業内での評価をあげる為にも使えます・
また社内勉強会でも診断士の勉強で培った分析力や知識は他社員からも評価されるでしょう。
資格取得によるデメリット
強いて言えば、診断士試験に合格した後はお金が多少かかります。
①登録迄 実務補習(約16万円)
②登録後 協会に入会(年約5万円)
①について、資格取得後に中小企業診断士を名乗れる訳ではなく、協会が行っている実務補習に有料で
参加し、登録ポイントをためる必要があります。
実務補習の他には実務従事といって、コンサルタントのお仕事等をされている方は自分の仕事内で登録迄
完了できる手段があります。
更に登録後は5年に1回更新の更新迄に実務ポイントと呼ばれる(コンサルをして獲得する)
ポイントを取得しなければなりません。
コンサルタント会社勤務でない方は、有料で実務従事という企業が行うコンサルに参加する事でポイン
ト取得が可能です。
後は、本業と副業を行っていて子供が小さい家庭等は家庭内の調整が大変になったり、企業内だと色ん
な仕事を任せられ過ぎて大変になったり等はあると思います。
ただ、自分自身の裁量や調整をうまく行う事は診断士として求められている能力ではあるので、デメリ
ットという意味合いではないのかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
診断士の仕事は独占業務がない為、資格取得後の行動は皆さん多種多様だと思います。
いきなり独立される方も、まずは協会に入りながら企業で活躍される方、転職される方。
具体的なキャリアプランを描いていなくても、可能性を拡げる事は可能だと思います。
モチベーションがあがらない時や受験を諦めようかと考える際には是非色んなブログや本を読んで、具体的なイメージを膨らませる事をお勧めします。